ゆるっとキモノと、ビールと。

ハレではなくケ。ゆるっと着物を着て、楽しくビールを飲めたら最高。

『粋かわいい』の破壊力。

前回の記事『ここ数年の浴衣のトレンドを振り返ってみる、と。』の若干続きです。 

itgreco.hatenablog.com

 前記事にも書いた通り、今年のトレンドは①レトロ②古典③はんなり④粋、らしく、『粋』という単語は割と一般的に認知度が高いんだなーと思う夏です。

 

しかし、毎年夏に襲来するこのフレーズがあります。

『粋かわいい』です。

個人的には毎回吹き矢がひゅっどすっうっ!と刺さったかのような破壊力を感じます……粋で可愛いってなんだ?( ˙-˙ )

 

 

粋。

《名・ダナ》

さっぱりした気立てで、あかぬけがし、色気(いろけ)もただよう(特に、花柳界の遊びに通じている)こと。そういう感じのする身のこなし・様子。

 

ちなみに民俗学者九鬼周造の『いきの構造』では、粋とは『媚態』と『意気地』と『諦め』の三要素と言っています。

運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのが「いき」である」 

 

着物で言えば、江戸時代には贅沢禁止令が出されていました。 「はんなり」や「豪奢」といった上方文化(京都や大阪)への憧れもあっただろうに、贅沢禁止令。身分や時代によってもちょっと違いますが、素材の制限(木綿・麻・紬・絹)や手法の制限(金糸や刺繍、惣鹿子)、色の制限、販売価格の制限なんかもありました。

ここで「えー、私たちも華やかなの着たいのにダメなの?しくしく」ではなく、「だからなんだってんだい!一見地味なこの色こそ美しいってもんだろう?」ともはや美の基準自体を変えてしまう。大量の縞のバリエーションを作ったり、チラリズムを極めてみたり。あぁなんて格好いいんだろう!この惚れ惚れさせる意気地こそ、粋なんだと思うのです。

 

井嶋ナギさんの『色っぽいキモノ』では、

「粋」というのは、究極のストイックな美意識であって、「はんなり」とか「上品」とか「華やか」とか「かわいい」とか、そういうものとはまったく逆のベクトルを持ったものです。たとえば、模様なら、無地や縞。色なら、黒や青や茶色。

と書かれていますが、まさにそれ。庇護欲を煽るような可愛さではなく、セクシーな意気地。いいなぁ、こんな感じにいつかなってみたいものです。

 

して、浴衣でいえばどんなのが粋なんでしょう。

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 手持ちでいえばこれが限界でした(笑)。紺の綿絽の浴衣に、臙脂の博多献上。白いトンボが大量発生してますが、これくらいシックならok?

 

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こちらは紺のコーマ地に、ポリエステルの赤帯。亀甲ですが、中に白字や時たま薄ピンクでお花が敷き詰められています。でもやっぱり亀甲って強いですよね。赤帯は三角形の鱗模様。裏は黄土色に桜柄の昼夜帯です。

 

でも手持ちの浴衣はさておき、私自身が人間的に粋まで達していないので、粋な着こなしは難しいかもしれません(笑)。だってまだ諦められないこといっぱいあるもんなー。。。まだまだ先は長いですね。